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2018年04月04日

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

島根県の江津駅(ごうつ)と広島県の三次駅(みよし)を結ぶ三江線(さんこう)が3月31日付で廃線になりました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

本州で全長100km超の路線が廃線なるのは初めてということもあり、ニュースでも取り上げられていました。

三江線廃止、別れ惜しむ=住民、鉄道ファンら-島根(時事ドットコムニュース)


廃線の理由はいくつか挙げられていますが、マクロ的な大きな目で見れば山陰と山陽を結ぶ陰陽連絡線としての機能が果たせなかったことに尽きると思います。

江津-三次間の所要時間と距離は下記の通り

自動車(高速道) : 1時間30分 / 110km
自動車(一般道) : 2時間 / 100km
鉄道(三江線) : 3時間半 / 108km



距離は大きく変わらないものの、所要時間にこれだけ差があると、よほどの理由がないと三江線を選ばないですよね。

それだけ時間がかかるのに(かかるから)列車は1日5本だけ。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

そのうち直通列車は3本だけで、江津駅に至っては5:53の始発の次は12:34と、なんと6時間半も間隔が空くという事態です。

三江線の輸送密度は83人/日kmで、鉄道事業で採算が取れる目安となる1,500人/日kmを大きく下回っています。


そんな三江線も廃線前の乗車ブームとなった昨年の秋からは週末を中心に連日満員。
今年に入ってからはさらに増えて、従来は1両だったディーゼルカーを2両や3両編成にしても積み残しが発生するレベルだったとか。
(積み残した人はJRが手配した代行バスやタクシーで輸送)


三江線 乗車記


僕は昨年の夏休みに乗りに行きました。

関連記事:サンライズ出雲91号と三江線

出雲市までは東京から最後の寝台特急である「サンライズ出雲(91号)」に乗車。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

出雲市から快速列車に乗れば江津発15:15の三江線に間に合うのですが、景色が見やすいボックス席を確保するために先発の特急列車に乗りました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

「これならボックス席を確保できるだろ」と高を括っていましたが、三次方面からやって来た折り返し列車から降りない客がいっぱいいて、ロングシート部分しか座れませんでした。

本来であれば全員が一度降車した上で再乗車して欲しいのですが…。
廃線間際はそういった車内アナウンスがあったみたいですが、このときはなかったと思います。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

江津駅は幹線(山陰本線)らしく広大なホームを備えていました。
昔はここに浜田行きのブルートレイン「出雲」が停車していたのでしょう。


三江線は中国地方イチの大河「江の川(ごうのかわ)」に沿って進みます。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

三江線は108kmの間に江の川を7回も渡ります。

また三江線の線路上に陸閘(りっこう)と呼ばれる水門が設置されているのも特徴です。
江の川の氾濫時にこの陸閘を閉めることで住宅街に水が浸入することを防ぐものです。

陸閘自体は珍しいものではありませんが、線路上にあるのは三江線と阪神なんば線くらいだと思います。


三江線は元々三江北線(江津-浜原)と三江南線(三次-口羽)という別々の路線だったものが、1975年8月に全通して三江線として全線開業しました。

末端部分だけ先行開業したのは三江線だけではありません。
他にも興浜線(こうひんせん)と越美線も南北で先行開業しています。

北海道の興部(おこっぺ)と浜頓別(はまとんべつ)を結ぶ興浜線は、興浜南線(興部-雄武)と興浜北線(北見枝幸-浜頓別)で先行開業し、全通することなく33年前の1985年に廃止。

福井と美濃加茂を結ぶ越美線は越美南線(美濃太田-北濃)と越美北線(九頭竜湖-越前花堂)として先行開業し、こちらも全線開業せず、1986年に越美南線は第三セクター化(長良川鉄道)されました。
(越美北線は今もJRとして運行中です)

三江線が全線開業した42年前にはすでにモータリゼーションの波が来ており、無理して開業した感は否めません。


最後に開業した浜原-口羽間は鉄道公団が建設したこともあってローカル線にしては高規格で作られており、トンネルや高架も多く作られています。


その新線区間で人気なのが、天空の駅こと宇都井駅。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出
画像は宇都井駅のwikipediaより拝借

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

天空とはちょっと言い過ぎだと思いますが、地上20mにある宇都井駅のホームは地上から日本一高いところにあるホームです。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出
廃止になった三江線を乗り鉄した想い出
廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

このくらいの高さの鉄橋は珍しくもありませんが、この高さで停車するのは不思議な感じです。

宇都井駅では人の乗り降りはほとんどありませんでしたが、僕が乗ったときは運転士さんが気を利かせて、停車時間を数分間延長してくれました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

地上からホームまでは階段で116段。
無論エレベーターやエスカレーターはありません。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

平均乗車人数は1人/日でしたが、その特異過ぎる構造から三江線で最も人気の駅でした。

昨年の「ゆく年くる年」にもイルミネーションでライトアップされた宇都井駅が登場したので、記憶にある人もいるかもしれません。


三江線は全線単線で行き違いできる駅も少ないことから、対向列車待ち合わせの度に長時間停車を強いられますが、ホームに出たり写真を撮ったりといい気分転換にもなりました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出
廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

そんな感じで終始のんびりとしながらも三次までの3時間半はあっという間に過ぎてしまいました。

江の川に沿って何もない中を走る三江線の車窓は思いのほか楽しめました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出


三次駅からは連絡する芸備線に乗って広島駅へ。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

芸備線ではボックスシートに座れたのですが、三江線の車内で知り合ったと思われるひとり旅中の男女に挟まれて、そっちの会話が気になっちゃって道中の記憶がほとんどありません。笑

男性は35歳くらいの一眼レフを下げて、大判時刻表を持ち歩く鉄ヲタ。
女性は仕事でイヤなことがあって傷心旅行に出たら、鉄道に目覚めてしまった20代後半の可愛らしい女性。
夏休みを利用して広島のゲストハウスに泊まりながら18きっぷで周辺を旅しているようです。

共に独身、関東圏在住、趣味が同じ旅行で、遠く離れた島根で出会うとかものスゴい偶然です。

このビッグウェーブに乗って男がグイグイいくかと思いきや、男女ともに相手が来るのを待っている感じのまま、終着の広島駅へ…。
最後の最後に男がメールアドレスを書いた紙を渡していましたが、「そこはLINEの交換だろ」「飲みに誘えよ」と心の中でツッコむと同時に広島駅に着きました。

その後も続いているといいのですが(^^;


僕は広島駅で一人でお好み焼き食べて、ホテルを取ってあった岩国へ移動。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出

帰りの飛行機はマイルで取ったのですが、広島⇒羽田は満席だったので、岩国⇒羽田のルートで帰ってきました。

廃止になった三江線を乗り鉄した想い出


廃止されるとわかったから乗りに行ったといういわゆる葬式鉄な動機でしたが、雄大な江の川沿いをのんびりと走る三江線の車窓は期待以上に素晴らしかったです。

車窓が素晴らしいというだけでは路線を維持することができないのは百も承知ですが、本当に廃線になってしまった寂しさから思わずブログを書いてしまいました。


これ以上廃止される路線が増えないことを強く願いたいところですが、先月末に北海道にある石勝線の夕張支線(新夕張-夕張)の2019年3月末での廃線が決まりました。
夕張支線はJR北海道の単独での路線維持が難しくなり、夕張市との協議の上で「攻めの廃線」としてバスでの代替輸送となる予定です。

夕張支線はもちろん石勝線も乗ったことがないので、ぜひ乗っておきたいです。
それ以外にも単独での路線維持が困難とJR北海道が宣言した路線がたくさんあるので、できる限り早めに乗りに行けるように諸々頑張ります。
(というか札幌近郊以外はほぼ大赤字なので…)

タグ :鉄ネタ




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