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2016年03月02日

林圭一さんが30年前に書いた「バス・フィッシングの基本と戦略」

先週、ケイテックの林圭一さんが56歳という若さでお亡くなりになったそうです。

林さんは僕がバス釣りを始めた25年前から既に最前線で活躍されており、当時絶大な人気を誇った「TACKLE BOX」誌ではその理論的なスタイルから林教授という愛称で親しまれていました。

そんな林さんが書かれた1冊の名著があります。

林圭一さんが30年前に書いた「バス・フィッシングの基本と戦略」
▲「バス・フィッシングの基本と戦略」林 圭一 著

このブログを検索してみたところ7年前に購入していました。

関連記事:ブラックバスのお勉強(2009-02-03)


タイトルの通り、バス釣りをする上で基本として押さえておきたいことは何なのか?
その基本の知識、道具、テクニックを使ってどうやってバスを探して口を使わせるのか?
といった視点で非常に論理的に詳しく書かれています。


僕は物事を論理的に考えるのが好きなので、共感できることも多く、たくさんの気づきを得ることができました。

林さんの訃報を聞いて、改めて読み返してみました。
当時の流行についてではなく、あくまでも基本について書かれているので今読んでも旧さを感じるところが少ないのもこの本の特長です。

非常に勉強になる本なので、簡単にご紹介します。

[目次]
第1章 僕等が心にとめておくべきこと
第2章 上達を早めるために
第3章 正しいバスの生態
第4章 正しい道具の知識
第5章 正しい技術の知識
第6章 パターンフィッシング



まず最初に紹介するのは第1章「僕等が心にとめておくべきこと」にある『成功への12の秘訣』

林圭一さんが30年前に書いた「バス・フィッシングの基本と戦略」

これはアメリカを代表するバスプロ(トミー・マーチン、ラリー・ニクソン、ハンク・パーカーやリック・クラン)に「あなたの成功の秘密は、どこにあると思いますか?」という質問をした際の回答をまとめたものです。

1 .融通のきくアングラーになること
2. よい仲間を持つこと
3. バスを発見する術を身につけること
4. 集中力を維持し続けること
5. 基本をマスターし、実践すること
6. 積極的にチャレンジし、吸収すること
7. 経験を積むこと
8. 効率的(ムダのない)な釣りをすること
9. 体力をつけること
10. 客観的になること
11. 忍耐強くなること
12. 大切なことは覚えておくこと


文字にするとすごくシンプルで基本的なことばかりですが、これを高い次元で継続することはスゴく難しいと思います。
どれもバス釣りに限らず他のスポーツや仕事にも当てはまることなのにもビックリです。
改めて基本の大切さを思い知らされた感じです。

仕事につながるという点では1章のまとめにドキッとしたことが書かれていました。


> バス釣りを考えるということは「なぜ?」という疑問をもつことから始まる。
> 今日はなぜ釣れなかったんだろう?
> なぜあのポイントがいいのだろう?
> A君はなぜあんなに釣るのだろう?
> なぜ、なぜ、なぜ……?
> これらは反省ともいえます。
> できるだけたくさん反省してください。
> 疑問と反省、優れたアングラーはたくさんかかえているものなのです。
> そして、1つ1つを自分なりに解釈して発見していかなくてはなりません
>
> どうです!バス釣りはなんて奥の深いエキサイティングなものなのでしょう。
> 考える心は「なぜ?」という疑問を生み出します。
> 疑問は君の研究心をくすぐります。
> 次の瞬間、君はこうつぶやくでしょう。
> 「多分あれが悪かったんだな……。」
> ほら、次の作戦が見えてきた。
> 解釈が伴っているんです
> 予想しているのです
>
> バス釣りは1回で終わってしまう"読み切り"ではないのです。
> 1回1回の釣行から何かを学びとる。
> 次にそれを生かしてみる。
>
> 疑問(反省)→研究→解釈→予想→実践→疑問……。
> エキスパートへの道は、このように試行錯誤の繰り返しでもあります。
> そして、これこそがバス釣りの醍醐味でもあるのです。
> 今日の負けは明日の勝ち。
> バス釣りを考えよう!


実に深い文章です。
"バス釣り"を"仕事"に置き換えてもスッと腹に落ちる内容です。
下手な自己研鑽の書籍よりよっぽどわかりやすく、心に響きます。

仕事ができる人は、物事に対して「本当にそうなのだろうか?」と疑問を持ち、自分なりの解釈によって仮説を立て、それを検証するというサイクルを回し続けていると僕は思います。

(論理的にやっているのか、直感的にやっているかは別にして)釣りがうまい人も同じようにPDCAを回していると思います。

バスの生態、道具や技術の知識は他の本でも書かれていることが中心なので、最後のパターンフィッシングについて紹介します。

まず言葉の定義ですが、この本ではパターンを"その日のバスが効率よく釣れる戦略"と定義しています。
シーズナル・フィッシングの1つ階層が下という位置付けです。

その戦略は「スポット(ポイント)のタイプ」「ルアーのタイプ」「ルアーの使用法」という3つから構成されるとしています。

その3つを正しく使うために、それまでの章で解説をされています。

スポットのタイプ = 第3章 正しいバスの生態
ルアーのタイプ = 第4章 正しい道具の知識
ルアーの使用法 = 第5章 正しい技術の知識

ロジカルシンキングでいうところのピラミッドストラクチャーでしっかりと構成されているところがたまりません。

ピラミッド・ストラクチャー(GLOBIS 知見録)


そのパターンには選定の段階チャートまで記載されていました。

林圭一さんが30年前に書いた「バス・フィッシングの基本と戦略」

イ)季節からバスの大まかなポジションを推測する
 ↓
ロ)"イ"で推測したことを目的の湖に当てはめてみる(ポイントを探す)
 ↓
ハ)"ロ"の結果からルアーの種類やその使用方法を選択する
 ↓
ニ)実際に湖で"ハ"までに決めたことを試し、その通りかどうかをチェックする



もちろん各段階での答えは1つではないですし、その中でも分解を繰り返した方がいいと書かれています。

例)もしポイントを浅場に絞ったら、その中でもう1回絞り込みをする。つまり、浅場をタイプ別に分けてみる。例えば障害物の種類別とか深場への距離別とか上流、下流など。


どうでしょうか。

徹底的に論理的にブラックバスにアプローチしているのが印象的です。

まさに林教授ですね。

さすがに新品は残っていませんが、Amazonのマーケットプレイスには残っているみたいなので、気になる方はお早めにどうぞ!




林教授を知る人であれば、誰もが思い浮かべるであろうフリッピングもこの書籍で解説されています。

林圭一さんが30年前に書いた「バス・フィッシングの基本と戦略」

一度このフリッピングを直に見てみたかったです。

林圭一氏のご冥福をお祈りします。


[03-03 追記]
Amazon マーケットプレイスは早々に在庫切れになってしまったようです。

現在ヤフオクに1点出品されていますので、気になる方はそちらでどうぞ!
http://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w117029233(3/4 22時 終了予定)


[03-04 追記]
上記のヤフオク、落札価格はなんと2,600円でした。
僕なんて300円で買ったのに(^^;


[03-16 追記]
Amazonのマーケットプレイスの在庫が復活していますが、価格はなんと一万円!
中古品は需要と供給のバランスで価格が決まるとはいえ、さすがにこの価格はないでしょ~





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この記事へのコメント
本当に惜しい方が亡くなってしまいました。

林さんの創られたジグやワームには、彼の物創りに対する美学がハッキリと表現されてました。


昔、Basser誌の記事で彼のタックルボックスが掲載されてましたが、プラノのボックスにテールを綺麗に揃えられたジャンボグラブを見た時には感動しました(笑)

これが後のブリスターケースを生み出すきっかけになったのは、容易に想像できます。

個人的にもっとも好きだったのはミニチユーですかね。
発売された物よりももっと精密に成型できたのに、あえて少しだけバランスを崩し、チューブワームらしさを出したということでした。

また今ではあたりまえの事ですが、「フックは丁寧に真っ直ぐにセットしよう」と表立って言われた方でもあります。




毎回楽しみに読ませていただいていた、ブログを突然休止されたので気にはなっていたのですが...


ザウルスの則さんしかり、素晴しい物創りをされてきた方がまた1人お亡くなりになった事は残念でなりません。


今後、ケイテックのルアー達がどのようになっていくかは解りませんが、彼が創ってきたルアーをこれからも使い続ける事が、彼への弔いになるのではないでしょうか。
Posted by 浮人 at 2016年03月05日 08:03
>浮人さん

こんにちは。
熱いコメントありがとうございます。

僕もそのきれいに整理されたワームボックスの写真は見たことがあります。
確か「TACKLE BOX」誌の出口さんの漫画だったような記憶が…。

>フックは丁寧に真っ直ぐにセット…

これも林教授らしいエピソードですね〜
僕自身はあまりケイテック製品を使ってこなかったのですが、今後は意識してチェックしていきます。

今までは西山徹さんなど若くして亡くなられる方が多かったですが、バスブームを引っ張ってきた方々も確実に高齢になっているので今後も健康に気をつけて末長く活躍して欲しいです
下野さんも弱気な発言が増えましたし。
Posted by uedaueda at 2016年03月05日 10:21
 
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