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2016年06月23日

琵琶湖・北山田沖のボート事故から学ぶこと

琵琶湖の南湖でボート事故がありました。
事故については多くの方がご存知だとは思いますが、自戒を込めて事故から得た学びをまとめます。



発生日時 : 平成28年6月19日(日) 午前10時ごろ

場所 : 北山田から矢橋人工島・北側にかけてのエリア

天候 : 風が比較的強く、雨が強くなり始めたタイミング(らしいです)

事故発生直後の状況:

1人でチラーハンドルのバスボート(サウザー395)に乗っていた釣り人が何らかの事情で落水。

キルスイッチを身体に付けていなかったためエンジンは止まらず、ボートは周辺を旋回し続ける。

周辺に本人のライフジャケットとレインウェアが浮いていた。





事故発生直後の旋回し続けるボートの動画がTwitter上にありました。


事故発生直後に捜索が始まりましたが、残念ながら落水した本人は見つからず。
捜索2日目の21日(火)に事故現場近くの水深3mの湖底で遺体で発見されました。

お亡くなりになったことは大変残念ですが、遺体が見つかったことは喜ばしいニュースです。

遺体が見つからないと行方不明扱いとなり、保険金が下りるまでに1年以上もかかります。

残された家族のもとに遺体が戻るかどうかは、精神的なものに加えてお金の面でも大きな違いがあります。
保険金が入らないと生活していくこともままならないですからね…。


事故原因はまだ究明されていませんが、ライフジェケットとレインウェアが周囲に浮いていたというのがキーになりそうです。

お亡くなりになった高橋さんに近しい方が、事故の原因について下記のように推測されていました。

今回の事故は強雨の中、ボート走行中に沖から一文字(岸側)に向かってる最中、正面から波を受けた衝撃により後方に転がり落水。

キルスイッチが付いて居なかった為ボートは止まらず回転走行。

ボートが回転走行していて、ボートには掴まる事が出来ない為、彼は泳ぐ事を選択しライジャケを外し、カッパを脱いだと思われます。

後に分かったのですが遺体発見時、ズボンも履いてなかったそうです。

彼は冷静だったと思われます。

岸を目指し落水地点から約50m泳いだところで何らかの要因により力尽きたと推測されます。

報告とメッセージ(☆ NO FISHING NO LIFE ☆)


ボートの周囲にライフジャケットとレインウェアが浮いていたという状況から、僕は当初、下記のような状況を推測しました。

走行中に雨が降り出す(雨脚が強まる)
 ↓
レインウェアを着るためにキルスイッチを外し、ライフジャケットを脱ぐ
(エンジンは切らずにスローで走行)
 ↓
風でレインウェアが飛んでいきそうになる
 ↓
バランスを崩して落水


しかし走行中にレインウェアを着るというのはちょっと横着すぎるような気がしますし、発見された際にズボンを履いていなかったという事実が宙に浮いてしまいます。

上記の親友の方が書かれているように、ライフジャケットが膨張しなかった、もしくは膨張したけど空気が抜けて役に立たなくなってしまったので自分で脱いだというのが正解のように思います。


僕は同じチラーハンドルのサウザーに乗ったことがあります。

琵琶湖・北山田沖のボート事故から学ぶこと

琵琶湖・北山田沖のボート事故から学ぶこと

また事故があった北山田から矢橋人工島にかけてのエリアは僕もよく釣りをします。

亡くなった高橋さんを存じ上げはしませんが、同じ愛知県の方ということもあって他人事には思えません。


高橋さんの死を無駄にしないためにもここから学びを得て、自分自身やこのブログを読んでくれている方への気づきになればと思います。

ライフジャケットについて

●小移動でも必ずキルスイッチを付ける

●走行中は固定式がベスト
 膨張式の場合は気を失っても上半身が水面に出るようにベスト型がベター

●膨張式の場合は手動膨張式ではなく自動膨張式とし、定期的な点検を怠らない

●何があっても走行中はライフジャケットを脱がない



キルスイッチはレンタルボートでも和船でも付いています。
しかし肝心の身体側のクリップが錆びていたり固着していることもよくあります。

そのクリップの脱着が面倒になってキルスイッチを付けないことが僕もよくありました。
かといって、常にコードを身体につけているのも邪魔に感じます。

小さいカラビナを持参し、カラビナで脱着するとその不便さは解消されると思います。


チラーハンドル艇について

チラーハンドルの特徴として瞬時に舵を切りやすいというものがあります。

一般的なバスボートのステアリング式だと、いっぱいまで舵を切る(フルロックする)にはハンドルを2回転ほどさせる必要があります。

それに対してチラーハンドルは一瞬でいっぱいまで舵を切れます。
言い換えれば"意図せずにいっぱいまで舵を切れてしまう"ともいえます。

スロットルを開けて走行しているときに急に大きく舵を切ってしまうと、落水の可能性は大きく高まります。

またチラーハンドルのボートはステア式のバスボートと違ってコンソールがないので、身体を止めてくれるものもありません。


通常チラーハンドルのボートは和船等の小馬力のものがほとんどですが、FRP艇のサウザーは395(13ft)だと最大30psまで搭載することができます。
これだと最高速度は50km/hくらい出せるはずです。

その速度で急ハンドルを切ったら、体勢によっては簡単に吹っ飛びます。

今回の高橋さんもスロットル全開での走行時に不意に波をくらって、意図せずにハンドルを思いっきり切ってしまったことが落水の原因のように僕は思います。


チラーハンドルの場合はステア式のボートに比べて下記が必要だと思います。

●走行中は絶対によそ見をしない

●不意に体勢を崩さないように荷物の配置等にも配慮が必要
(走行中に荷物が飛んでいきそうになってそれを防ぐために体勢を崩した経験が何度かあります)




琵琶湖最大のレンタルボート屋でもあるレークマリーナでは走行中は固定式のライフジャケットの着用を求められます。
(他にも何店かそういうところがあると聞きます)

しかし固定式が最も安全性が高いのはよく理解していますが、釣りをする際に邪魔になるというのも正直なところです。


ウェストタイプの自動膨張式を常時身に着けておき、移動中はその上に固定式のライフジャケットを着る。

固定式のライフジャケットにキルスイッチをつなぎっぱなしにしておき、ポイントに着いたらライフジャケットを脱ぐ。


この2つのライフジャケットを使う方法が安全性と快適性を高次元で両立できる一番の方法のように思います。

またライフジャケットが1つの場合はカラビナを持参し、脱着の億劫さを解消するのも一つの手だと思います。
(僕は当面はそうします)


今回の事故を受けて、ボートでの釣りは死に直結する危険性を伴う遊びであることを再認識するとともに、事故で亡くなった高橋さんのご冥福をお祈りいたします。


またこの記事がボート釣りの安全性について考えるきっかけになったらうれしいです。
願わくは行動まで変わってくれたらもっとうれしいです。





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この記事へのコメント
記事読ましていただきました。

フロートジャケットの下に肩掛けの自動膨張式のライジャケを着けたら、落水の時内側で膨らみ身体圧迫すると思います。
また腰巻きのライジャケなら腰部に浮力がかなり発生し、浮き姿勢にかなり影響がありそうな気がします。

このような事故は痛ましいことです。
安全に配慮して楽しみたいと思いました。
Posted by みち at 2016年06月24日 09:54
>みちさん

コメントありがとうございます。
ベストタイプの膨張式の上に固定式を着たら危ないですね。

腰巻きと固定式のセットで実際に浮いたことがないので確かなことはわかりませんが、安全面では固定式が一番でしょうね。

琵琶湖での事故は荒天時の無理な出船が多いとは思いますが、今回のようなボートオーナーの方の事故も散見されます。

常に危険と隣り合わせであることを意識しながらも、琵琶湖でのバス釣りを楽しみたいですね。

機微な内容の投稿にコメントいただきありがとうございました。
Posted by uedaueda at 2016年06月24日 10:26
 
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