2017年05月13日
びわこ虫が大量発生した理由
先日の琵琶湖釣行の際にはびわこ虫に悩まされました。
ご存知の方も多いと思いますが、びわこ虫の正体はオオユスリカです。
ワカサギ釣りなどで使うアカムシの成虫です。
アカムシのときは水の底にいますが、孵化のタイミングで水面に浮上してきます。
ユスリカの孵化は毎年この時期なのですが、今年は特にそのサイズも量も例年の比ではないくらいに発生していました
迷惑虫「ビワコムシ」が大量発生、壁や車にびっしり…「メチャきしょい」が、実は環境守る“いい虫”(産経WEST)
びわこ虫は通常の蚊よりも小さいのが通常ですが、今年は大げさではなく倍くらいのサイズでした。
顔の前のびわこ虫を手で払うと確実な手応えを感じるくらいのサイズです。
ユスリカは通常の蚊と違って人を刺すことはありませんが、そのくらいに大きいと不快指数も一気に高まります。
そのニュースにもなるくらいに大量発生したびわこ虫ですが、上記のリンク先をサマリーすると下記のように書かれています。
> 大量発生の原因は何か。
> 井上氏は「鍵は餌となる植物プランクトンの増加にある」と分析する。
> 琵琶湖では水草が多いと植物プランクトンが減る。
> 昨年は原因不明だが水草が少なく、植物プランクトンが増えた。
> 嫌われ者のビワコムシだが、水生昆虫の研究者によると、
> 「湖底の泥の中の有機物を食べて育つので、湖底の浄化に役立っている」という。
> 湖に流れ込む生活排水による有機物も食べているとみられる。
原因不明と書かれている水草が少ない理由ですが、僕は藻刈りの影響が大きいと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、びわこ虫の正体はオオユスリカです。
ワカサギ釣りなどで使うアカムシの成虫です。
アカムシのときは水の底にいますが、孵化のタイミングで水面に浮上してきます。
ユスリカの孵化は毎年この時期なのですが、今年は特にそのサイズも量も例年の比ではないくらいに発生していました

迷惑虫「ビワコムシ」が大量発生、壁や車にびっしり…「メチャきしょい」が、実は環境守る“いい虫”(産経WEST)
びわこ虫は通常の蚊よりも小さいのが通常ですが、今年は大げさではなく倍くらいのサイズでした。
顔の前のびわこ虫を手で払うと確実な手応えを感じるくらいのサイズです。
ユスリカは通常の蚊と違って人を刺すことはありませんが、そのくらいに大きいと不快指数も一気に高まります。
そのニュースにもなるくらいに大量発生したびわこ虫ですが、上記のリンク先をサマリーすると下記のように書かれています。
> 大量発生の原因は何か。
> 井上氏は「鍵は餌となる植物プランクトンの増加にある」と分析する。
> 琵琶湖では水草が多いと植物プランクトンが減る。
> 昨年は原因不明だが水草が少なく、植物プランクトンが増えた。
> 嫌われ者のビワコムシだが、水生昆虫の研究者によると、
> 「湖底の泥の中の有機物を食べて育つので、湖底の浄化に役立っている」という。
> 湖に流れ込む生活排水による有機物も食べているとみられる。
原因不明と書かれている水草が少ない理由ですが、僕は藻刈りの影響が大きいと思います。
琵琶湖では滋賀県の公共事業として藻刈りが実施されています。

◆琵琶湖の水草対策について
(http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako/files/h25mizukusataisakujigyou.pdf)
<南湖の現状>
南湖の水草は、平成6年の大渇水をきっかけに急激に増えはじめ、最近では夏になると湖底の約9割を水草が覆う異常な状態になっている。
適度な水草繁茂は、魚類等の産卵や発育、生育の場となり、水質の浄化にも寄与するな ど、重要な役割を担っている。
しかし、現在の南湖における水草の大量繁茂は、湖流の停 滞による水質の悪化や底層の低酸素化、湖底のヘドロ化など従来の自然環境や生態系に大 きな影響を与えるとともに、漁業や船舶航行の障害、腐敗に伴う臭気の発生など生活環境 にも様々な支障をきたし、深刻な状態が続いている。
◆水草刈り取り除去対策の基本的な考え方
「マザーレイク21計画第2期計画」
「水草繁茂に係る要因分析等検討会」
<目標>
水草の繁茂状況を望ましい繁茂状態(※)に戻し、ニゴロブナ・ホンモロコ・ セタシジミの在来魚介類のにぎわいを回復させる。
(※)南湖の望ましい水草繁茂の状態:1930~50 年代、20~30km²程度の繁茂。
<対策>
1)水草の繁茂面積を縮小するため、年間を通じて貝曳き漁具等により水草の基底部からの除去(以下、「根こそぎ除去」という。)を行い、水草の過剰な繁茂を持続的に抑制する。
2)船舶の航行障害や悪臭の発生など住民生活への影響の軽減に係るものについては、被害の状況に応じて水草刈取専用船により適時適切に対応する。

ウィードの繁茂状況のあるべき姿を実現するために藻狩りを実施しているはずですが、最近は藻狩りすることが目的になっている側面が強くなっているように感じます。
平たくいえば「南湖の漁師が藻刈りの収入をあてにしている状態になっていませんか?」と。
いわゆる手段の目的化です。
藻刈りが原因で琵琶湖のウィードが激減
↓
植物プランクトンが増加
↓
植物プランクトンを餌とするユスリカ(びわこ虫)が増加&大型化
というのが今年のびわこ虫の大量発生の原因だと僕は思います。
決して藻刈り自体を否定しているわけではありません。
望ましい水草繁茂の状態と書かれている1930~50 年代とは琵琶湖の環境自体が大きく異なっているので、現在の琵琶湖の実態を鑑みながら藻刈りも実施してもらいたいというのが僕の思いです。

◆琵琶湖の水草対策について
(http://www.pref.shiga.lg.jp/d/biwako/files/h25mizukusataisakujigyou.pdf)
<南湖の現状>
南湖の水草は、平成6年の大渇水をきっかけに急激に増えはじめ、最近では夏になると湖底の約9割を水草が覆う異常な状態になっている。
適度な水草繁茂は、魚類等の産卵や発育、生育の場となり、水質の浄化にも寄与するな ど、重要な役割を担っている。
しかし、現在の南湖における水草の大量繁茂は、湖流の停 滞による水質の悪化や底層の低酸素化、湖底のヘドロ化など従来の自然環境や生態系に大 きな影響を与えるとともに、漁業や船舶航行の障害、腐敗に伴う臭気の発生など生活環境 にも様々な支障をきたし、深刻な状態が続いている。
◆水草刈り取り除去対策の基本的な考え方
「マザーレイク21計画第2期計画」
「水草繁茂に係る要因分析等検討会」
<目標>
水草の繁茂状況を望ましい繁茂状態(※)に戻し、ニゴロブナ・ホンモロコ・ セタシジミの在来魚介類のにぎわいを回復させる。
(※)南湖の望ましい水草繁茂の状態:1930~50 年代、20~30km²程度の繁茂。
<対策>
1)水草の繁茂面積を縮小するため、年間を通じて貝曳き漁具等により水草の基底部からの除去(以下、「根こそぎ除去」という。)を行い、水草の過剰な繁茂を持続的に抑制する。
2)船舶の航行障害や悪臭の発生など住民生活への影響の軽減に係るものについては、被害の状況に応じて水草刈取専用船により適時適切に対応する。

ウィードの繁茂状況のあるべき姿を実現するために藻狩りを実施しているはずですが、最近は藻狩りすることが目的になっている側面が強くなっているように感じます。
平たくいえば「南湖の漁師が藻刈りの収入をあてにしている状態になっていませんか?」と。
いわゆる手段の目的化です。
藻刈りが原因で琵琶湖のウィードが激減
↓
植物プランクトンが増加
↓
植物プランクトンを餌とするユスリカ(びわこ虫)が増加&大型化
というのが今年のびわこ虫の大量発生の原因だと僕は思います。
決して藻刈り自体を否定しているわけではありません。
望ましい水草繁茂の状態と書かれている1930~50 年代とは琵琶湖の環境自体が大きく異なっているので、現在の琵琶湖の実態を鑑みながら藻刈りも実施してもらいたいというのが僕の思いです。
Posted by ueda at 06:00│Comments(2)
│琵琶湖について
この記事へのコメント
一部の人にとって、都合のいい解釈で行われる行動は、また違った問題を生み出しますね・・・
自然にとって、一番いいのは、人間がなんにもしないことなんだと思う今日この頃です。
自然にとって、一番いいのは、人間がなんにもしないことなんだと思う今日この頃です。
Posted by DEN
at 2017年05月13日 21:28

>DENさん
こんにちは。
>自然にとって、一番いいのは、人間がなんにもしない…
おっしゃっていること、とてもわかります。
「藻が大量発生する⇒刈る」だけではただの対処療法に過ぎませんので、なぜ大量発生するのか?大量発生させないためにはどうしたらよいのか?といった原因療法をメインに対応して欲しいと僕は思います。
滋賀県の広報活動を見ると、藻刈りもできれば実施しないのが一番だという前提がどっかにいってしまっているような印象を受けます。
といいつつ僕自身もバス釣り愛好家というバイアスがかかっているのも否めませんが(^^;
こんにちは。
>自然にとって、一番いいのは、人間がなんにもしない…
おっしゃっていること、とてもわかります。
「藻が大量発生する⇒刈る」だけではただの対処療法に過ぎませんので、なぜ大量発生するのか?大量発生させないためにはどうしたらよいのか?といった原因療法をメインに対応して欲しいと僕は思います。
滋賀県の広報活動を見ると、藻刈りもできれば実施しないのが一番だという前提がどっかにいってしまっているような印象を受けます。
といいつつ僕自身もバス釣り愛好家というバイアスがかかっているのも否めませんが(^^;
Posted by ueda
at 2017年05月15日 11:17
